先日、お問い合わせで「東明さんでは屋上の防水工事を施工出来ますか?」というお問い合わせをいただきました。
弊社は塗装工事をメインにしていますが、以前から【防水工事】や【屋根葺き替え工事】なども施工しており、外装工事全般を得意としています。
※屋根、外壁などの外部工事のことを総称して『外装工事』と言います。 本日は外装工事の中でもお問い合わせの多い防水工事について注意点を含めお伝えします。
防水工事とは ビルやマンションなどの屋上は多くの場合、戸建て住宅の屋根とは違い、歩行可能な形状になっています。
学校の校舎や病院などもこのようなタイプになっていますよね。 これは陸屋根(りくやね。またはろくやね)といい、定期的に防水工事が必要な屋上になります。
・雨漏りがしだしてから防水工事をされる方
・今は何ともないが今後雨漏りの不安があるため防水工事をされる方 などタイミングは様々ですが一般的には新築10年以上経過してから工事を検討される方が多いです。
さて、その防水工事ですが施工方法は数多くあります。 今回のように改修工事の場合はウレタン防水と塩ビシート防水の2種類のうちどちらかが採用されるケースがほとんどです。
密着工法と通気工法とは ウレタン防水と塩ビシート防水。それぞれの防水工事には工法として密着工法と通気工法があります。
どちらの防水をする場合でも屋上を施工する場合に重要なのは「通気工法」にしなければいけないということです。
・密着工法 床面に対して密着させて、塗る(ウレタン)・貼る(塩ビシート)施工方法です。 ベランダなど比較的狭い面や新築時に採用されます。
・通気工法 床面に対して通気シートを入れてから、塗る(ウレタン)・貼る(塩ビシート)施工方法です。 広い面の改修工事に採用されます。
費用で言えば通気工法の方が高くつきますが、メンテナンスでする改修工事の場合は通気工法をお選びください。
なぜ通気工法のほうがいいのか?
これは屋上の床面の画像です。
ご覧のとおりコンクリートですので雨水自体は染み込むようになっていますが、このコンクリート層の下には防水層がありここで雨水を止める構造になっています。
つまり、このコンクリートの下には残留水分と言いまして水分・湿気がある状態です。
そして、このまま上から防水工事をしてしまうと、湿気・水分が閉じ込められてしまいます。
太陽に熱せられた防水層は、下に残ってる湿気・水分が上にあがらせてしまうので、防水工事完了後に防水層が脹れ(ふくれ)る可能性が高くなるというわけです。
そのため、通気工法にして湿気・水分を逃がす防水工法にしなければいけません。 ご理解頂けましたでしょうか。
それでは弊社で施工した塩ビシート機械式固定工法の作業工程みていきましょう。
築40年程の法人様ビルの屋上屋根になります。
この屋上屋根の直下部の会議室等に雨漏りがあるという事で弊社に相談がありました。
既存の防水層に多くの破損部がありました。今回は耐久性が良い塩ビシートの絶縁工法で施工致しました。
施工前
先ずは、高圧洗浄を行いました。
絶縁シートを敷いて、ディスク盤を取り付けます。
塩ビシートを敷いていきます。
誘導加熱装置 IHジョインターを使い塩ビシートをIHディスクと溶着させていきます。
熱を加えると接着するようになっています。
脱気筒を取り付けます。
脱気筒とは、屋上の防水層と下地(コンクリートなど)の間に発生した水蒸気を排気するための筒のことです。
脱気筒を取り付ける個数は、施工方法や屋上の面積、脱気筒の製品仕様によっても異なりますが、
約60~80㎡に1つの割合で設置していきました。
シートとシートのジョイント接合部に溶着剤を使い一体化させます。
ガルバリウム鋼板で笠木を取り付けました。
この笠木もクラックや破損が見られました。
このような個所からの漏水も多く見られます。
工事完了
これで屋上は安心です。
いかがでしたでしょうか。防水工事をする際の注意点を書いてみました。
まとめますと、
・陸屋根には定期的に防水工事(メンテナンス含む)が必要
・改修工事には塩ビシートとウレタン防水が採用される場合が多い。 (もちろん他にもありますが代表的なものをあげています)
・防水工事には密着工法と通気工法がある。
・屋上を改修工事で防水する場合は通気工法を選択する。
以上になります。
この記事が、防水工事をご検討の方のお役に立てれば幸いです。